・俳句…夏至の夜闇裂く光遠き音
キッチンで妻が洗い物をしている。
突然、キャッ。
出窓からの光。
その声でパソコンを打つ手が止まる。
しばらくして、遠くで音が聞こえる。
十数秒の間。
まだ安心か。
余裕を見せる爺。
今年も雷の季節がやってきた。
この家を建てた頃は、
隣の建物に避雷針があったのだが。
今は、我が家が一番高い建物になってしまった。
夏。
毎年、この時季になると、
数日は怖い思いをすることになる。
雨が降ってくれれば助かるのだが、
雷だけだと、やっぱり怖いよね。
光と音がほぼ同時の奴になるとかなり恐ろしい。
二人して、二階で縮こまっている。
“桑原、桑原”
これは、何のおまじないかな。
過去に２度あった落雷。
我が家の被害。
苦い思い出。
こんな貧しい老人なんだよ。
少し気を使ってくれよな。
今年も何もないことを祈るだけである。
雷、大嫌い。
怖いよね。
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