フクロウと犬と爺

生活

もう数十年前のお話である。

我が家から数十メートル離れた畑の電柱に、

暗くなりかけると、一匹のフクロウが毎日のようにやってきていた。

彼は、夜になると、“ホー、ホー、ホー”と鳴いていた。

とても、響き渡る、素敵な声である。

それを聞いた、愛犬の“ロン”君が、一様に反応する。

“ワン、ワン、ワン”と。

毎日、同じ時間に、同じ光景。

こだまになって聞こえてくるのは、絶妙である。

ハゲ爺は、仕方なく、夜になると外に出て、

ロンくん曰く、“ワン、ワン、ワン”

ハゲ爺A曰く、“ツウ、ツウ、ツウ”

ハゲ爺B曰く、“スリー、スリー、スリー、”

フクロウさん曰く“ホー、ホー、ホー”と。

これで、完成。うまくいくと最高な気分。

笠懸の空に、絶え間なく響く、“山彦”。

なんともね……お粗末でした。

冗談じゃないよ。

ほんとのお話だよ。

えへへ……

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