ハゲ13

生活

-短気-

子供の頃から短気だった。

それは今でも治らない。

20代前半。

土建屋の営業に就職した頃の話。

年老いた部長を乗せて役所への挨拶回り。

朝、予定を聞き、その通りに動く毎日。

車の中の無言な空気。

2枚目にそっと出す無意味な名刺。

昼飯も、同じ店で、遠慮しながら食す情けない味。

夕方、5時に彼を自宅に降ろして会社に戻る。

・川柳…年寄りの恩着せ対応難儀なり

ある日。

ブチギレて、部長を現地に置き去り、会社に戻る。

限界を超えた俺。

いつもの短気が始まった。

それでも、上司の説得で、少しずつ大人になっていく。

老人は面倒くさい。

あのときの部長は、確か今の私より若かったのでは。

そんな思い出を噛み締めながらの古希。

ハゲは面倒くさい。

今、皆にそう思われての生活。

昨晩、こんな思い出でひと笑い。

生きていくのも難しいよね。

短気は

治らないよね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました