ハゲの思い出

生活

― すぐき ―

大学3・4回生の頃。

上賀茂神社のすぐ側に下宿していた。

大家さんは“すぐき”農家。

冬になると、人が入れるほどの大きな樽に漬ける。

かなり大きなカブみたいな奴。

外側を削る作業…下宿人もお手伝い。

かなり小さく、可愛くなるよ。

この仕事、俺は臭いから逃げ回っていたけどね。

すみません。

あの頃は、粋がっていたので…。ペコッ。

5月になると上賀茂神社のお祭り。

下宿人にも、お食事が振る舞われた。

そんな薄っすらとした記憶が残っている。

おふくろが、盆暮れに、付け届けをする。

ぐうたら倅を心配してのことだと思われるが…。

下宿のオバァちゃんが恐縮しちゃって…。

年末の帰省時に、すぐきの樽を持たせてくれる。

これが…臭うこと…臭うこと…。

20歳の若者には…たまらない…。

京都から群馬に帰るまでに6時間。

まずは、新幹線。

隣の号車の棚にのせて置く。

東京駅で、降りる前に取りに行く。

次に、山手線・高崎線・両毛線と乗り継ぐ。

最初の頃は、なんとか家まで到着した。

大学生も…5年も行くと…様変わり。

この荷物も…電車の中で…忘れ物と変化する。

糞ガキに持たせても…実家まで、着かないと知ると…。

駅留のチッキと相成った。

そんな時代が懐かしい。

あはは…。

20歳くらいのお話。

くだらないかな…。

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