昭和。
二つ前の元号。
戦争を知らない爺にとって、
右肩上がりのイケイケの時代。
その昭和がまた一つ消えた。
ミスター巨人軍、長嶋さん。
ボテボテのショートゴロ。
広岡さんは動かない。
横っ跳びのスーパースター。
飛び出していくるのを知っている。
キャッチ後の独特のスローイン。
アンダースローで投げ終えた後の右手のあの動き。
近所のガキが数人集まれば、
三角ベースの草野球。
軟式テニスの柔らかい奴。
ペコっとしたバット音。
ゴロを取れば、皆が真似して笑顔した。
“知ってるねぇ…うふふ”
路地裏の戦い。
樽の上にゴムを引き、
鋳物製の独楽で争うゲーム。
ベーゴマ。
名前の由来は知らないが…
別所、川上、与那嶺、王…。
下手くそだった俺の手に…
長嶋…この名の独楽は宝だった。
“駄目だよ兄貴…これはやらないよ”
早朝、友と語る前日の試合。
あまり会話のない親父との共通言語。
この国の子どもたち全員の憧れ。
謹んで御冥福をお祈り致します。

この国の子供達の
憧れだったよね
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